金沢の彫刻師荒木乗寛によって作られた白木の「雄獅子」と 製作時期、彫刻師ともに不詳で表面には黒漆が塗られている通称「サッサイ獅子（雌獅子）」がある。
　1984（昭和59）年まで10月9日の秋季例祭に獅子を出していたがその後途絶え、1999（平成11）年9月23日、15年ぶりに復活した。
　蚊帳は、1937（昭和12）年に作られたもので、麻布で巻毛模様がほどこされており、雌雄兼用である。スッペ（胴竹）を3本入れ蚊帳の内側で縛り、尾は2メートル余の猛宗竹に赤く染めた1メートルの苧麻をつける。蚊帳の中には胴持ち3人、尾持ち1人が入る。
　カシラつり（頭振り）は白シャツに腹掛け短パンをはき、黒地に白で「菩」をあしらった懸帯をつけ、タグリに手甲、脚絆をつけ、白足袋に草鞋をはく。一方、棒振りは、刺子に胸当、モンペ、腰帯襷をつけ、手甲、脚絆に白足袋、草鞋をはき演技をする。
　棒振りの流技は能登獅子の流れを汲み、大棒の演技と、遊びを主体にした小棒による舞とがある。
　囃子には「雄獅子」に「ホンブ」「アワセボウ」「イッソウブリ」、「雌獅子」に「五・三」「七・五・三」「ヤツブシ」「二足」「ケイブリ」がある。囃子方は獅子の前方に位置し、笛2〜3人、太鼓1人、鉦1人で演奏する。
　家々からの獅子舞の花（祝儀）には「目録一ツ、金貨一封御酒肴ハ沢山、人気ハ栄当栄当マタ栄当、右ノダンナ様ハ○○様ノ御贔屓トアッテ、ワレワレ菩提寺青年団へ下サル」と言上する。