峠の神様

天田峠に建つ「峠の神様」の社

天田峠に建つ「峠の神様」の社

 石川県と富山県の県境、津幡町倶利伽羅地区の九折(つづらおり)区の天田峠に、倶利伽羅山八大龍王神が祀(まつ)られた小さな社(やしろ)が建っています。この辺り一帯は「奥山田(おくやまだ)」と呼ばれ、農林水産省の「日本の棚田(たなだ=山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に作られた水田)百選」に選ばれています。社が建つ高台には、棚田ビュースポット展望台もあります。
 昔から九折の村人に「峠の神様」と親しまれているこの神様には、「私を祀るなら七堂伽藍(しちどうがらん)を建てるか、それができない時には、西の海の見えるところに祀ってほしい」といった言い伝えが残っています。この神様は、よく大蛇に化けては地区の人々を驚かせたということです。
 1933(昭和8)年の天田峠改修工事の時、峠を堀り下げていると両側の山が地滑りを起こして工事が難航しました。度重なる地滑りにほとほと困りかねていた時、村人の1人が峠の神様の言い伝えの話をしました。その時、峠の神様は工事の邪魔になったので、付近に放置されていたのです。そこで海の見えるところに小さな祠(ほこら)を建てて安置し、お祀りしたところ、その後工事は順調に進み無事完成しました(倶利伽羅地区の伝説「峠の神様」の話より引用)。
 1878(明治11)年、明治天皇の北陸巡幸(じゅんこう=天皇が出かけること)に合わせて、倶利伽羅峠(標高260メートル)の北に位置する勾配が緩やかな天田峠(標高160メートル)に新道が開削され、国道が通るようになった同集落は交通の要地となりました。鉄道開通まで、天田峠には「柳の茶屋」という茶店があったそうです。

所在地 〒929-0412 石川県河北郡津幡町字九折
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アクセス IR津幡駅から「津幡駅前」交差点を右折し、県道59号線に入ります。「白鳥橋詰」交差点を右折し、「浅田陸橋」を越えると、「浅田」交差点に出ます。そこを左折し、県道215号線を進み、「刈安」交差点を直進すると、県道286号線に入ります。あいの風とやま鉄道線の高架下を抜け、「九折」の案内標識が立つY字路を右折すると、集落に入ります。道なりに坂道を上って集落を抜け、さらに上っていくと、左手に「棚田ビュースポット駐車場」の案内板が見えます。その横の展望台に続く右の山道を登っていくと、「倶利伽羅山八大龍王神社」があります。



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